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■今週の市場展望

著者:青柳孝直

7/02号

『特集:確立するか「日本のサッカー」-10億人産業の中のニッポン-』
  1. 6大会連続の出場を決めたオーストラリア戦から1カ月。6月14日に開幕したW杯サッカー。直前のふがいない試合もあり、日本には往時の熱狂はなかった。フィジカルの差は歴然で、久し振りの日本人監督が就任してたった2カ月。どうせだめだろ….
  2. 史上最強と言われた「ザックジャパン」が2014年ブラジル大会で1次リーグ敗退で終わり、日本からサッカー熱が冷め始めた。本田圭佑、岡崎慎司らの主力がピークを過ぎる一方で、新戦力の台頭は遅れ、世界ランキングも大きく下げた。大会直前の突然の監督更迭もダメ押しとなった。一体何を期待せよというのか….
  3. 前回のW杯から4年、錦織圭(テニス)、松山英樹(ゴルフ)、大谷翔平(野球)など、世界に通じるニュースターが続々と誕生した。20年の東京五輪も近づき、世間の関心は他の競技に移り始めてはいた。致し方ないことではあった。
  4. 日本が属するH組はコロンビア、セネガル、ポーランド。国名を聞いただけでもガクッとくる組み合わせではあった。初戦のコロンビア戦も、まぁとりあえず見とくか、といったところだった。ところがところが、2対1の勝利。試合開始直後のハンドの反則によるPKという幸運はあったものの、とにかく勝ったのだ…
  5. 2戦目のセネガル戦。新大関・栃ノ心を二回りほど小さくした体格の集団と、互角以上の戦いで、ドロー。セネガルと互角以上の戦いをした直後から手のひら返しが始まる。“革命児”扱いで、新監督・西野朗監督賛歌の始まりである。曰く、96年のアトランタ五輪でブラジルを破った「マイアミの奇蹟」の再来か…
  6. 今回のロシアW杯で目立つのは、跳びぬけたスターを抱えるチームの苦戦振りである。ロナウドのポルトガル、メッシーのアルゼンチン、ネイマールのブラジルなど、戦前の有名国がギリギリで予選通過といった状況になっている。
  7. 冷静になって考えてみれば、最近のサッカーは超スーパーな「個」だけの力だけでは勝てなくなり、磨き上げた集団の力が必要となり始めている。これは陸上短距離・リレーの形態と似通っているともいえる。9秒台が皆無の日本チームが、400米リレーで五輪・銀メダルを取った。バトンの技術だけで世界王者・ジャマイカ・ウサイン・ボルト等の“モンスター”と対等に勝負した。奇跡ではないのだ。
  8. 今の日本チームには乾、柴崎、長友、昌子(しょうじ)などの“(疲れを知らない走りをする)リス”集団に加え、欧州基準の酒井宏樹など、多士済々。気が付けば「日本サッカーの日本化」に向け、長年かけ堆積した豊饒の土壌が出来上がっていた。
  9. 欧州、南米と彷徨を続け、最後の最後に日本の監督になってようやく到達した日本のサッカー。薄氷の戦いだったが、とにかく予選突破。早稲田伝説のモテ男・西野朗の持つ運にも期待したい。日本のサッカーは変わった。新しい風は吹いている、間違いなく…
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】
国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。

連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
東京都港区赤坂2-10-7-603
TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857


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