■今週の市場展望
著者:青柳孝直
1/30号
『特集:スポーツ選手の価値と値段』
- 最近の日本のスポーツ界では、ダルビッシュ・有の巨額トレードが大きな話題になっている。確かに1人の人間の才能に対して総額85億のカネが動く世界は異常かもしれない。たかが野球、されど野球。しかし事実は事実である。
- 一方で、一般的には目立たない、日本ではマイナーと言われる分野での動きも目立っている。まず卓球。日本では「温泉旅館での卓球」が定着しているが、卓球のTV中継を見られる方も少ないとは思う。だが、入っていけばそれなりに面白い。
- 1月22日の全日本卓球選手権。鮮烈なチャンピオンの誕生だった。5連覇中であった本命中の大本命・明治大学・水谷隼(じゅん)を、高校三年生の吉村真晴(まはる)がフルセットの末破って、新チャンピオンの座についた。3-3で迎えた最終ゲーム、7-10から5ポント連続での勝利は圧巻だった。高校生が?って世界が始まっている。日本の若者も捨てたものじゃないな、と思わせる瞬間だった。
- そして全豪オープンでの錦織圭の8強入り。男子のテニスなど、世界に通用するとは思っていないので、期待もしないし、されてもいなかった。テニスと言えば、松岡修造の不必要な元気が目立つ、そんな人間の俳諧する世界と思っていた。25日の準々決勝も、どうせって感じでライブ放送を見ていた。
- 結果は3-0のストレート負け。だが実力の差はほとんどないと思わせるようなジュースの連続だった。世界4位のアンディ・マレーは191㌢。錦織は(公称)178㌢。その身長差のハンデを感じさせない熱戦だった。錦織は22歳。25歳までには世界制覇もできるのではないかと思わせる、ある種のオーラが出ていたように思う。
- そしてダルビッシュ・有。元ヤンキースの55番・松井の衰えが目立ち、イチローの影も薄くなり、レッドソックスに入団した松坂大輔がイマイチで、日本球界全体のレベルが疑問視されている昨今だが、入札金を含めて1億1千万ドル(85億円)という金額には、ひたすら驚くしかない。
- 確かに今の日本の球界で、ダルビッシュを超える投手は見当たらない。いるとすれば、楽天の田中将大くらいだが、球速ではなく8種類と言われる多彩な変化球で、メジャーを制覇できるか否か。金額に見合うだけの活躍ができるか否か。
- IT化が顕著に進んでいる昨今、世界中のスポーツが楽しめる時代。“日本では云々”という世界ではない。世界の一流の選手が競う中で、その中身(コンテンツ)が問題になっている。結局は「いいものはいい」のである。至って素直なロジックである。
- スポーツという本来は純粋であるべき世界に、巨額のカネが乱舞することでシラケる部分は否めない。とは言え、ドン詰まり感のある日本の政財界を尻目に、世界に勇躍する日本の若者がいる。ある種の光明を見出しているのは自分だけではないと思う。
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。
連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
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TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857
書籍紹介
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ISBN:978-4-86280-068-8
定価:1,365円
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ISBN:4-89346-913-4
定価:2,520円
















