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■今週の市場展望

著者:青柳孝直

4/16号

『特集:世界標準をテーマに、進化するスポーツ番組』
  1. センバツが終わると、プロ野球が開幕、ゴルフ世界最大の祭典マスターズとなる。一方、日本の男子プロゴルフは、4月12日にようやく開幕。スポンサー撤退の流れが続き、注目度は年々低下している。女子は一応3月末から開幕しているが、実際のところ「スポーツとして見る」のではなく、「若い女性ゴルファーの美人コンテスト」の意味合い。
  2. コースセッティングが社用族仕様でやさしく、賞金額は、日本の賞金王が1年かかって到達する額を、世界のメジャーレベルでは一つの大会優勝で獲得する。だから、世界的な選手も集まらないし、その実力も世界標準からどんどん離れていく。従って、CMで中断ばかりの男子プロの中継は視聴率が上がるはずもなく、最後には中継もしなくなる。
  3. スパイラルに悪くなる日本の男子プロゴルフに対して、世界の4大メジャーのひとつマスターズは、年々注目度が増している。1938年に開始されたマスターズは、今年で80回目。考えてみれば、尾崎将司・青木功・中嶋常幸のAONの時代から、現在の松山英樹の時代まで、TBS独占の同番組を毎年、40年ばかり観ている勘定になる。
  4. 未だに優勝グリーンジャケットを着た日本人はいない。「出るだけで満足」のプレーヤーが大多数だ。今年は日本から松山の他、小平智、池田勇太、宮里優作が出場したが、結果は、世界ランク6位の松山19位を頭に、小平28位。勇太・優作は予選落ち。松山は左手親指の負傷でこわごわの感じだったが、他の3選手は“レベルが違う”のが歴然。
  5. 実は宮里優作の東北福祉大学在学当時からのファン。プロ入り16年目にして悲願のマスターズ初出場。競技開催の前日、隣接の特設コースで、出場者のみに許される両親、妻子、兄妹揃い踏みのラウンド。これまでの苦労を思えば親孝行も、子供とパットに興じるのも、一族上げての物見遊山気分も致し方ない。だが勝負となれば別、のはず。
  6. 結果はあえなく10オーバー予選落ち。小平智のような粘りや真剣度が欲しかった。予選を通過した小平も、体格面での貧弱さが目立った。世界を舞台にするなら世界仕様に造り直す必要あり、と思う。一方勇太・優作は、世界標準には程遠い問題外のレベル。
  7. 前置きが長くなったが、そのマスターズ、今年はTBSが第1日目からライブで8時間超の完全中継した。日本時間深夜から早朝にかけての8時間。観ている方も疲れるが、実に見応えがあった。CMが入るのは民放だから致し方ないとして、中嶋常幸+芹沢信雄の解説も理論的で実に分かり易い。TBSがやれば、テレ朝も「青木功+戸張捷」のセットで、全米オープン、全英オープン、全米プロをTBS仕様でやるんだろうなきっと。
  8. 地上波とBSに分波されて以降、地上波の番組の質の低下が著しい。お笑い中心の、どうでもいい内容の長時間番組が目立つ。かくして筋書きのないスポーツ番組、特にグローバルな世界標準の大会が選ばれる時代となった。同時に「ラジオ新時代」も叫ばれ始めている。原点の感覚は全て同じだ。「バカな時間の使い方はしたくない」という点で。
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】
国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。

連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
東京都港区赤坂2-10-7-603
TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857


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