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■今週の市場展望

著者:青柳孝直

2/26号

『特集:世界にアピール“ニッポンの技術”-平昌冬季五輪-』
  1. 2月9日から始まった平昌冬季五輪も終盤。連日の熱戦・ライブ放送に、放送時間に沿った生活を強いられている。フィギュアなどの人気競技は、欧米中心に時間が決められているから、通常では考えられない時間に試合が開始したりする。巨額の放映権料の問題もあり、致し方ないところだが、競技をする選手は体調管理が大変だろう。
  2. 今回の平昌五輪で最大・最高の瞬間は、なんと言っても羽生結弦の金・宇野昌磨の銀のワンツーフィニッシュの快挙が成った時だった。その昔、フィギュア不毛と言われてきた日本の男子陣が、名実ともに世界一となった。羽生結弦の金は、66年振りの五輪連覇、冬季五輪1000個目の金ともなり、まさに歴史的な“記録にも残る”活躍となった。
  3. 昨年11月のNHK杯・試合前の右足重症の怪我から約3カ月、まさに感動的な復活・2連覇であり、世界からも称賛された。世界各国の実際の中継模様も繰り返し報道されたが、まさに“神扱い”。試合後、実は故障した部分は完治しておらず、痛め止めでごまかして、気合で勝ち取ったことも明らかになり、“結弦伝説”は完結した。
  4. 最近のフィギュアは、技術点、構成・芸術点などを中心に、部門別の得点経過が明確に見えるようなシステムが完成している。結果、なんか凄い、なんかきれいだ、といった曖昧な部分がなくなり、数字の表示で分かり易く、そして対応し易くなっている。体格で劣る日本にとっては、“技術・ニッポン”の力量が発揮し易いパターンになっている。
  5. 競技スケート女子団体パシュートの金もまた“技術・ニッポン”の面目躍如となった。スケートを国技とするスケート王国・オランダを相手に、個々の記録では劣るものの、団体競技になったら勝利する、陸上男子400米リレーと同じ論理の組み立て。まさに快挙だ。チューチュートレイン仕様の整然とした動きで、ワンラインで疾走する姿は誠に見事で芸術的でもあった。“技術ニッポンここにあり”を世界にアピールした。
  6. その他目立ったのはスノボ・ハーフパイプで2大会連続銀の平野歩夢。スノボと聞くと何やらチャらいイメージで捉えがち。確かに見かけは渋谷系の、長髪&ピアスありの今風の容貌だが、ショーン・ホワイトとの二度目の決戦時の冷静さや、寡黙&醤油顔に、古武士を連想させた。古典的美男子はまだ19歳。まだ最低でも2回は十分いける。
  7. 回数から言えば、五輪出場8回=32年も競技に携わり、(49歳になる)次回の北京五輪も出ると公言する細面のジャンプのおっさんにはもうヘキヘキだ。世界から“レジェジンド”と呼ばれ、得意満面。「五輪に出るため」の努力はしても、「世界で勝つための戦略or技術的研究」は如何?9回目も出る?それはギネス狙いのおやじマニアの領域だ。出遅れ感の強い日本のジャンプ陣。「次代を背負う若者」を育てるのが急務だろう。
  8. スケート女子500金の小平奈緒、ベスト4入りのカーリング美女軍団、ノルディック複合の渡部暁斗等々、金3銀5銅3の長野五輪超え。選手の皆様本当にご苦労様でした。
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】
国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。

連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
東京都港区赤坂2-10-7-603
TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857


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