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■今週の市場展望

著者:青柳孝直

3/13号

『特集:安倍1強時代。だが一寸先は闇!?』
  1. 2月5日の自由民主党大会。何ら異論がないまま、自民党総裁任期の「3選9年まで延長」が認められた。かくして安倍晋三首相の3選への道が開かれ、2021年9月まで、約9年の歴史的な長期政権が可能になった。
  2. 支持率は12年12月の政権発足後、そして13年4月の76%をピークに、15年7月には38%まで下落する。そのまま下落すればこれまでの政権と同じ。だが15年後半から再び上昇し、今年の2月でも60%台を維持している。全体でみると「U字」に近い。
  3. ではこの「U字型」回復の要因は何か。支持政党なしの「無党派層」で高い支持率があるからである。「U字の底」だった15年下半期の無党派層の支持率は10%台。これが16年8月以降は30~40%に回復し、17年1月には43%に達している。
  4. この支持率の高さの要因は何か。まずは「やってる感」。何かあれば即座に官僚に検討を指示する。成果はともかく、その姿勢が国民に「やってる感」を与える。例えば、アベノミクス、1億総活躍、働き方改革など、“途切れないスローガン”が有権者に期待感を与え続けた。端的に言えば「実際の成果より、期待を先行させる」手法である。
  5. もうひとつの理由。「よりマシ感」。民主党ができなかったことを、安倍政権がどれだけやっているか、分かりやすく伝えた。考えてみれば、鳩山・菅・野田と続いた民主党政権は史上最悪のパターンではあった。まぁましか!?と思うしかなかった。
  6. そして安倍長期政権は、外交面でも海外諸国に安心感を与えている。「継続は力なり」。考えてみれば、安倍政権が特別いいわけではない。が、他が余りにひどかったし、ひどいから尚更、各々の在任期間が余りに短時間に過ぎた。
  7. かくして安倍晋三政権は、このままめでたく東京五輪を迎えそうな気配だった。だが森友学園に関する“アッキード”事件が勃発して以降、ごたつき始めている。最初は“単なる笑い話”だった。だが、早々に鎮火しないと大火事にもなりかねない様相である。
  8. 2月の参院予算委員会は「森友学園問題」に終始した。300回を超えたと言われる財務省・佐川宣寿理財局長の連日の答弁、終いには名前も顔も覚えてしまった。考えてみれば、突然目の前で教育勅語の大合唱が起きればビックリもするし感動もする。だが、幼稚園に通う幼児に教育勅語を無理矢理暗記させ、大合唱させる教育など異常だろう。
  9. 安倍昭恵夫人は日本のファーストレディ。全国から幾多の“お呼ばれ”や名誉職招致は致し方ない。だが地元・山口や、東京・神田で飲み屋を開業したり、(必死の抑え込みで事無きを得た)有名ロックギター奏者とのスキャンダルやら、天真爛漫・菓子屋の社長のご令嬢だから仕様がないという理由では看過できない場面が多くなっている。
    「森友学園問題」から「大疑獄」問題が飛び出す気配もある。一寸先は闇。長期安定に多少の油断があったのは否めない。ここを先途の野党。相変わらず怖い世界である。
青柳 孝直
(あおやぎ・たかなお)
【略歴】
国際金融アナリスト
1948年 富山県生まれ。
1971年 早稲田大学卒業。
世界の金融最前線で活躍。日本におけるギャン理論研究の第一人者との定評を得ている。
著書は、『新版 ギャン理論』『日本国倒産』など多数。翻訳書としては、『世界一わかりやすいプロのように投資する講座』など。

連絡先:
株式会社 青柳孝直事務所
〒107-0052
東京都港区赤坂2-10-7-603
TEL:03-5573-4858
FAX:03-5573-4857


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